2016年01月17日

木の話

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建具職人手作りの「歩くアヒル」
現在、80歳代の職人さんですが、今は仕事からは引退されています。
建具製作は細かく、繊細な作業。
手が仕事を覚えていて、ご本人は仕事をしている感覚で毎日アヒルづくりをしているとご親族からお聞きしました。

青色、緑青色をしたアヒルには塗料が塗られていますが、その他のアヒルは木の素地そのまま。
濃い茶色のアヒルは欅(ケヤキ)、黄色味がかった色のアヒルは桧葉(ヒバ)、白っぽい色のアヒルは米ヒバ。中間色は桧(ヒノキ)や楢(ナラ)です。
建具屋さんが製作する材料としてメジャーな杉(スギ)は繊維方向が割れやすいということもあってか、このアヒルのなかには居ません。このアヒルは、木取りした木材から出た廃材で製作しているとのこと。

ご本人の意志がないので、非売品ですが建具店からいただいてきました。

木のことをよく知り尽くした職人さんならではの趣味。
建具は建築の部位のなかで、正確さや強度が求められます。日常生活で扉や窓を開閉することは多いですよね!
使い手が一番、目につくところです。隙間や開閉の不具合によってはストレスを感じてしまいます。

手先が器用で、技術を持っているだけでは良い建具を作ることはできないとのこと。
木は樹種ごとに、性質や強度も異なるので、適材適所で、どのようにどの部位を使うことができるかを瞬時に判断できるかが、重要とお聞きしました。

建築物に使われる材料も均一に安定した良産品=量産品のシェアが大きくなるほど、機械によるものが多数を占めるようになります。

集成材は無垢材とは異なり、反りやムクリなど木の持つ欠点を補うように角材にして接着したものです。本来、職人が行なうべき役割を省くことで安定した製品を提供することを可能にした製品だと私は理解しています。「手間がかからず、時間が短縮できる。そのことでコストを削減できる」ということになりますが、本当にモノづくりはこのままで良いのか?という疑問が常にあります。


無垢材を構造材や化粧材に使うには、それぞれの木のクセを知って木取りを行なわねばならず、そうでなければ、何十年もかけて育てた木が無駄になってしまいます。一本の丸太からは柱、或は梁材を取った他に下地補強材、床材、天井材や建具の桟、見切り材なども取ることが可能な場合もあります。

木のことをよく知っている職人自らが機械を使って製材されたものであれば、そのことを視野に入れて木取りを行うことができますが、流れ作業のような工場ではどうでしょうか?

柱や梁を一本の値段は丸太一本の値段です。製材されているものであっても同じだということを考えると、丸太一本を買ったほうが上手に使えば材料やコストを無駄にするということもありませんね。
その辺りは職人に聞いてみるのも良いかもしれません。
posted by kirara at 11:01| Comment(0) | 民家再生