2016年03月17日

小さなキッチンリフォーム工事17日目

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キッチンリフォームも17日目を迎えました。
昨年末に水栓のハンドルが折れたことをきっかけに、床下が劣悪な状態になっていることに気が付きました。
排水管とシンク下の受け皿の接続不良で20数年少しずつ排水から汚水が漏れて12.5mm厚の合板と床材、根太、大引きを腐らせていました。メーカー施工当初の工事不具合ということがパッキンなどの確認をしてわかりました。

台所を一番良く使うのは母です。

冬場の寒さから、いつの間にか料理をする為の場所だけになっていましたが、数年前から母が臭気に気づいていました。
7年ほど前に耐震診断した際に見つけることが出来れば良かったのですが、父親が健在の頃は父が設計した家ということもあり、構造や配管などの本来なら見栄えより、もっと大切な部分を確認することもできませんでした。

お施主さんの住まいでしたら、構造・配管・配線などは年数の経つ住まいでしたら当然、優先的に見るべきところです。
早めに気が付いていれば床が抜ける前に補修できたと思います。

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既存は、奥にコンロのL型キッチンで食卓に向かって、作業台付き食器棚が対面になっていました。
家族に背中を向けて料理するのは孤立感があり、母が寂しいということで対面を希望しました。

構造耐力上、触れない壁もあり、キッチンが4帖、ダイニングが4.5帖の家事動線が狭い部屋です。
対面にすることで収納量が減ること、シンク上にあるものがリビンからでも目立ちやすくなること、作業動線の通路が狭くなる可能性があることを説明しながら、長年思い描いてきた「対面キッチンで料理を楽しみたい」という母の希望を聞きました。

既存であるがゆえの納まり等の制限ある中でなるべく動きやすく、ある程度の収納量を確保しながらすっきりと見えるように。
よ〜く話を聞き取りながら、メモから、スケッチ、図面を起しました。
施工会社や職人さんには新規の場合はもちろんのこと、途中で変更が出た場合でもスケッチや図面を書いてお渡しすることが大切です。
「どんなことを考えてどんなことをしたいのか?」ということを図面から読み取ることが出来れば、職人さんにも設計者がイメージしていることが伝わりますので工事が遅れずにスムーズに進むことになります。
現場で一番困ってしまうのが、こんなイメージにしてほしい、ここの納まりは〇mmとやたら図面も書かずに現場で口頭で終わらそうとする設計者とのこと。
家具図も細かい寸法を書き込み過ぎるのもかえって施工上、納まらなくなってしまうので、それよりも「どうしたいのか?どういうイメージなのか?」ということが伝わる図面が必要です。

1.臭気
2.寒さと採光
3.給排水
4.構造
5.使い勝手と心地よさ

我が家は予算が限られる中で、1からの優先順位で出来るだけのことをしました。
限りある予算の中で床壁の中などで見えなくなる設備、構造を中心にリフォームしました。
床下から上がる臭気や寒さに悩まされた20数年間、ようやく解消出来たと母が喜んで居ます。
職人さんたち、精一杯してくださったことに感謝!

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家具や窓枠・見切り材などはウォールナットのクリア塗装
床板と障子の桟は木曾桧

経年変化で色が馴染んで来ることを想定して材料選択をしています。
天然の木曾桧を製材してくださいました。

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東京都庭園美術館や遠山記念館、他、文化財も手がけている職人さんたち。
古色などの色合わせが得意です。

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家具は、楢ですが全体に馴染みました。

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奧に収納スペースを設けましたが、「3箱もゴミ箱が要らなかったわ。」と母。
1つは野菜ストッカー(網籠3段)にしたいそうです(>_<)
細かいところはそのような感じなので、生活しながら色々と話を聞いて使いやすいように揃えていきます。


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調味料置きは宮大工さんが仕上げた台ですが、飾り棚にしたいということでそうなりそうです。
設計者の考えと住む人の思いは少し違ったりしていることもありますが、長く愛される暮らしやすい住まいをつくるには、お引き渡してからそこに住む方が育んでいくということが一番良いと私は思って居ますので、母が使いやすいように考えて生活してもらえれば嬉しいです。IMGP3713.jpg

建具職人さん手作りの「歩くアヒル」が可愛い。
桧の香りが部屋中漂い、外から来るような害虫(蚊やゴキブリ、ダニなど)はしばらくは近寄らないと思います。
posted by kirara at 07:37| Comment(0) | 設計事務所の仕事
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